わらび
万葉の花とみどり_わらび 蕨 和良比 ワラビ
石激る垂水の上のさ蕨の 萌え出づる春になりにけるかも
志貴皇子 巻八 1418
「読み」いわばしるたるみのうえのさわらびの もえいづるはるになりにけるかも
「歌意」岩の上を水が激しく流れ落ちる滝のほとりの、わらびが芽を出す春になったことだ。
春の味覚
志貴皇子による「よろこびの御歌」で、春を謳歌する作品として古くから名歌とされてきたものです。垂水とは滝のことで、岩の上を水が激しく流れ落ちていくほとりで、蕨が芽を出してきた様子を生き生きと表現しています。ワラビは、ウラボシ科のシダ植物で、湿気の高い山地に生え、春になって芽吹いてきたものを湯でこぼして食用にします。あくが強いものの、ほどよい苦味とぬめりがあるのが魅力。成長すると1mにもなる多年草で、しっかりした根茎を持ち、こちらもデンプン源として食用になり、和菓子のわらび餅が良く知られています。
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